<運送業界のエキスパート>株式会社ドコマップ 代表取締役 浦嶋一裕が、「運送業界のDXの実態」について解説
株式会社ドコマップジャパン(東京都港区、代表取締役 浦嶋一裕、以下「ドコマップジャパン」)は、運送業の経営者・役員101名に対し、「運送業界のDX実態」に関する調査を実施いたしました。調査結果について、運送業界の専門家でもある代表の浦嶋一裕が解説いたします。
■株式会社ドコマップジャパン|代表取締役 浦嶋一裕(うらしま かずひろ)略歴
昭和43年1月22日生
平成10年6月 デザイン事務所K.Y.CONTRIVE 起業
平成29年8月 株式会社ドコマップジャパン 取締役 就任
平成30年9月 株式会社ドコマップジャパン 代表取締役 就任
●運送業界のDXとは?
●調査結果の解説
●原油高騰を受け、運送業界がとるべき行動とは?
●ドコマップのサービスについて
●ドコマップが実現する未来について他
▼<運送業経営者の約7割が「DX推進」を重要視するも「十分進められている」はわずか12.9%という実態>
Qまずこの調査結果を受けて全体としてのご感想はいかがですか?
浦嶋:少し残念ですが、予想通りの結果でした。
Q自社DX推進の課題として「DXに関するノウハウがない」が51.3%と多数を占めていますね。
浦嶋:これは、外部からノウハウを取り入れるのが近道だと思います。最近よく耳にされているとも思いますが、DXという言葉は、2つの単語(DigitalとTransformation)から成っており、このTransformationの方が重要で、 業務をどう変えていくかについて考えてないとならないと言うことだと思います。思い切った変革は、固定概念を持っていては限界があるため、外部の知識を入れることが最短な道と言えます。行動を起こせることが経営者にとって一番大事ですからね。
Q運送業界のDXを進めていくことが重要だと思う理由について、自由回答でたくさんご回答いただいていますが、特に取り上げるべきご回答はあるでしょうか?
浦嶋:「デジタル化できるところはすべて機械化し、出来るだけ配送面は人で対応する。」という回答がよい例です。運送業界は、業務全般が属人化の強い業界です。一方、誰でもできるようにしていくのがDX。運送業は機械化できない業界なので、属人化は当たり前と捉える一方で、配車や効率化を属人化では解決出来ない分析・改善の指標となるデータ収集、そういった部分からDXに取り組むべきだと思っています。
Q自社のDX推進にあたり、課題となっているものについて、気になったご回答はあるでしょうか?
浦嶋:「管理者の知識不足。」という回答です。管理者の知識不足は、常に問題が無いのかを意識できてないからではないでしょうか。問題意識を常に持って考えないと変革のアイディアも出来ません。日々の配車に追われる現場ではそういう機会も足りてないのではと思います。
QQ8の「今後どのような業務のDX推進に注力していきたいと思いますか。」という質問に対し、ご回答で印象的なものはありますか?
浦嶋:これは数値化できるものを洗い出せばいいだけなので、今挙げられているものは全て数値化することです。また、常に生きた数字を活用するのが大事です。全ての情報をデジタル化しないと次のステップにはいけないとご認識いただければ良いかと思います。
QQ11の燃料価格の高騰化による危機感について、自由回答でいただきました。何か思うことはありますか。
浦嶋:燃料価格の高騰は利益を圧迫しているものです。価格が上がった分、なにを改善して、会社を経営できる状態にしているかを知りたいと思っています。経費や固定費の削減では追いつかないほど、燃料価格は上昇していますので、いま耐えられている運送業者様の改善項目が今後のDXのヒントになるかもしれません。「省エネを考え新車の購入を考えたが、トラックの価格自体も3割程高くなっており改善のしようがない。」という回答に対しては、その通りですね。新車が手に入らないので、中古を買って今ある仕事を回している企業が多いですし、そのため、中古車のトラック価格も上がっており苦しい時期だと思います。
QQ12の「あなたの会社で、燃料価格の高騰化への対策として、行っている取り組みがあれば、自由に教えてください」という質問に対し、「省燃費運転手の表彰。」というご回答がありますね。
浦嶋:まず、省燃費運転については、言葉を選ばないで言えば、運転手が下手だとL(リッター)3.2、上手だとL4といった具合で現実に消費量も変わります。例えば、片道500キロくらいの長距離だと一日何十リットルも違ってきます。それが台数分、さらに期間で見るとかなり大きな差になってきます。そのため、表彰するのは非常に有効だと思います。ドライバー同士で運転技術を教えあって会社全体で上手くなっていくことが、結果的に大きな経費削減につながります
QQ14で「運送を効率化していく必要性が高まっていくと思う理由を教えてください。」という質問に対し、「EC化が進み流通が大きく変化しているため。」とありますが、このご回答について思うことはありますか?
浦嶋:運送業者のなかでも中小企業は、乗務員の労働時間が一番の問題となるのが現実です。特にEC業界の仕事は大手荷主からの元請け、元請けから下請け、下請けから孫請のような階層的な受注の流れなんです。このように商習慣では下請けは元請け、孫請は下請けの言いなりで仕事をこなさなければなりませんが、そう言う業界の常識から変えていかないと物流は本当に機能不全になってしまう恐れがあります。
Qありがとうございました。最後に一言お願いします。
浦嶋:当社は運送業のコンサルを行っているのではなく、車両とそれに乗る人の動きをどう簡単に見える化ができるのかを常に考え、その時の最善のソリューションを開発・提供している会社です。昨今のDX推進が叫ばれるなか、どのような規模の運送会社でも抱えている問題に、少しでも改善できる手助けとなれるよう、日々技術を磨いており、今回のこのようなアンケートも今後開発する新しい技術への参考となるよう実施いたしました。