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お知らせ

【掲載】月刊テレコミュニケーション10月号

〜月間テレコミュニケーションさまに取材いただきました。〜


IoTでGHG排出量を見える化
 物流SX/GXは未だ黎明期ではあるが、IoTを活用したGXソリューションも頭角を現し始めている。NTTドコモの出資によって設立されたドコマップジャパンも、GXソリューションの開発を進める1社だ。
 同社は昨年4月、商用車の車両位置情報システム「docomapVehicle(ドコマップビークル)」を提供開始すると発表した。同システムは、日野自動車のテレマティクスサービス「HINO-CONNECT(ヒノコネクト)」や三菱ふそうトラック・バスの「TruckConnet(トラックコネクト)」「BusConnect(バスコネクト)」と連携可能なため、車両に専用GPS端末を設置することなく、車両の位置情報を管理できるのが大きな特徴だ。
 また、荷物を積載せずい車両を走らせる「空車回送」率の低減にもつながるため、原油価格が高騰する中でもコスト削減に貢献できるという。



 この7月には、docomapVehicleに「グリーンプラン(三菱ふそう車両対応)」や「プレミアムプラン(日野自動車車両対応)」をオプションとして追加すると発表した。対象車両の位置情報や走行履歴、車両の速度表示などの従来の「ベーシックプラン」で得られる情報に加え、燃料噴射量やオドメーターに表示される走行距離データも取得できるようになったという。「この2つに係数を掛け合わせることで、例えばA地点からB地点まで走行した際のGHG排出量が見える化できるようになった」とドコマップジャパン代表取締役の浦嶋一裕氏は自信を見せる。



物流大手からの引き合いも多数
 グリーンプランとプレミアムプランはリリースから間もないが、物流大手を中心に多くの引き合いが寄せられているという。
株主・投資家(IR)向け資料などに活用されているとのことだ。「自社から出たGHG排出量は把握しているが、原材料を運送して工場まで持ってくるまでに発生するGHGなど、上流と下流のGHG排出量は把握できていない企業が多い」と浦嶋氏は解説する。つまり、サプライチェーン排出量のうち、Scope2とScope3といった間接排出量の可視化にも貢献できるというわけだ。
料金体系も月額1,480円(台/税別)とリーズナブルである。



 浦嶋氏は、前年データとの比較の重要性も説く。「ようやくGHGのデータが取れるようになった。数年後、企業が自社のGHG排出量がどれだけ減らすことができたのか、見える化できるツールも開発していきたい」と今後の展望を話す。
 「我々は物流事業者そのものを変えることはできないが、会社の方針や規則が変わった時に、物流事業者が迅速に対応できるようなシステムを改良していくことはできる。裏方として物流事業者を支えていくことで、ドコマップという会社のビジネスは成り立っていく」と浦嶋氏。
 物流SX/GXは始まったばかりだが、ドローンやIoTなどのデジタル技術が、この動きをより加速させていくだろう。


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